昌徳宮は朝鮮王朝の第3代太宗5(1405)年、景福宮の離宮として建てられた宮殿で、1997年12月ユネスコ世界遺産に登録されました。(ソウル市内の世界遺産は2019年現在昌徳宮と宗廟の2箇所)
通常昌徳宮に夜間入場することはできませんが、毎年一定の期間のみ、夜の宮殿を巡り、韓国伝統公演を鑑賞できるイベントが開催されています。日本の旅行社のツアーなどで一般的に「昌徳宮月明かり紀行」という名称で募集されています。(韓国語は창덕궁 달빛여행)
昌徳宮月明かり紀行 コース内容
敦化門(入場) ⇒ 錦川橋、進善門 ⇒ 仁政殿 ⇒ 楽善斎 ⇒ 上涼亭(大笒独奏) ⇒ 芙蓉池 ⇒ 不老門 ⇒ 愛蓮亭 ⇒ 演慶堂(伝統芸術公演と伝統茶) ⇒ 後苑の森の道 ⇒ 敦化門(解散)ガイドの案内解説付き、所要時間は約120分
受付、集合:敦化門
昌徳宮の正門、敦化門(宝物第383号)。1412年(太宗12)に建設された2階建ての門。
イベントに参加する人が敦化門前に続々と集まります。
守衛と写真撮影できる時間が設けられている。
昌徳宮月明かり紀行はグループで移動します。1グループごとにガイドがつき、解説しながら案内してくれます。
仁政門
昌徳宮の中はかなり暗く、二人でひとつ、燃灯を持ち足元を照らしながら移動します。仁政門は、昌徳宮の中心にある建物 仁政殿の正門。
仁政殿
仁政殿(宝物第813号)は昌徳宮の正殿。朝鮮王朝の多くの王の即位式、臣下の拝礼、外国使臣の接見など、重要な国家の儀式を行った場所。
仁政殿は外から見ると二階建ての建物に見えますが、内部を見ると一階建て。天井がとても高い。
夜間に見るとまったく違う雰囲気。迫力を感じる。
楽善斎の門 長楽門
楽善斎
楽善斎(宝物:第1764号)は、朝鮮24代王憲宗の書斎兼サランチェ(主人の居間、客間)として建てられた。王宮の他の建物のように、丹青を施していない質素で素朴な建物。楽善斎とは「善を楽しむ」という意味で「王が善行をすれば百姓が楽しくなり、これによって王も楽しくなる」という意味を持っているそうです。
丹青:木造の建物に丹碧で模様を描くこと
上涼亭
上涼亭は楽善斎の後ろにある六角形の楼閣。大笒(韓国の笛、伝統楽器)の独奏を鑑賞。
大笒は少し悲しいような懐かしいような音色。夜の昌徳宮で伝統楽器の音色を聞くと、胸にジーンとせまるものがあります。
芙蓉池
芙蓉池を中心に多くの建物が建てられている。
芙蓉池前では、王と王妃、尚宮たちと写真撮影できる時間が設けられていました。
王と王妃、尚宮たちが帰っていきます。(退勤)
季節により、さまざまな顔を見せる芙蓉池。まだ紅葉には少し早い時期だったので残念。蓮の花が芙蓉池一面に咲くところも見てみたい。
愛蓮亭での伽耶琴演奏。伽耶琴は朝鮮半島の伝統的な弦楽器。
演慶堂 伝統芸術公演と伝統茶
見学コースの最後のイベントは、演慶堂(宝物:第1770号)で温かい伝統茶をいただきながら、伝統芸術公演鑑賞。
昨年(2018年)もこのイベントに参加しましたが、演慶堂の伝統公演以外の見学内容はほとんど同じでした。来年ははわかりません。
昌徳宮月明かり紀行は、韓国文化財団のウェブサイトから予約が可能です。人気のイベントなので、定期的にサイトをチェックすると良いです。
イベント終了後は、後苑の森の道を通り、敦化門から外にでます。電気がない時代の夜道は暗いということを実感。暗い中、手持ちの燃灯を頼りに多くの階段を上らなければならず、最後の伝統芸術公演の観覧以外は移動で歩き続けるため、歩きやすい靴と体力が必須です。
燃灯の灯りをたよりにあるく古宮はまさに朝鮮時代。夜と昼でまったく違う姿をみせてくれます。また、昌徳宮の他にも、夜間観覧可能な古宮があります。景福宮は、初夏~秋の間、夜間特別観覧期間が設けられており、券売所で直接当日券を購入できます(パスポートなど身分証明書が必要)。また、昌徳宮の隣の昌慶宮は、2019年より、毎日21時まで夜間観覧が可能となりました。
Address
서울특별시 종로구 율곡로 99
ソウル特別市 鍾路区 栗谷路 99
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