城北先蚕(ソンブクソンジャム)博物館は、漢陽都城の北側にある城北洞に位置し、地下鉄4号線 漢城大入口駅 6番出口から徒歩10分ほどの場所にあります。
城北洞には、朝鮮時代から約500年間、ずっと変わらず同じ場所に「先蚕壇」が残されています。「先蚕壇」とは、人間に養蚕を教えてくれた養蚕の神「西陵氏」へ、一年の豊穣と安定を願った空間のことです。
その先蚕壇では、神聖な王室の儀式の一つとして、音楽や歌、舞踊がひとつとなった「先蚕祭」が執り行われていました。
城北先蚕博物館は、先蚕壇・先蚕祭に関する遺物を収集、研究、保存し、展示とさまざまな教育プログラムを通し、貴重な文化遺産の歴史的価値を一般に広く知らせています。
城北先蚕博物館は
屋上庭園 | 漢陽都城と城北洞を一望できる休息空間 |
3階 | 豊穣を願う/企画展示室 |
2階 | 朝鮮時代の先蚕祭、願いと礼に込めた国家儀礼 |
1階 | 先蚕祭の場所、先蚕壇の過去と現在 |
…という構造になっています。
展示は常設展示と企画展示があり、写真や資料、模型などを通して、朝鮮時代の遺物や儀式の様子などを知ることができます。
食べることと共に、衣服を着ることも大切なことだと考えられていた朝鮮時代、農業と養蚕は社会発展の重要な原動力だった。そのため、王室ではその重要性を強調するため、一年の豊穣と安定を願う儀式を行った。
企画展示「閨房で咲き始めたわたしたちの刺繍」
わたしが訪問した時の企画展示は「閨房で咲き始めたわたしたちの刺繍」という内容でした。(閨房=婦人の居間)
朝鮮時代、ほとんど外出することがなかった女性たちは、家の中で家族の生活に必要なものを、ひと針ひと針刺繍し、装飾しました。
ところで、東大門に布団や枕を専門に扱っている「東大門布団市場」があります。韓国の時代劇ドラマを見て、韓国らしい刺繍のほどこされた布団や枕がほしくなり、探しに行きました。結局、鮮やかな色で刺繍された枕を買って満足していたのですが…機械ではなく、手で刺繍されたものと比較すると、やはり細かい部分はかなり違いがありました。
毎月最後の水曜日は入場無料
こちらの城北先蚕博物館は 2018年4月に開館したばかりで、建物も新しく大変きれいです。また、石鹸作りや染色など、毎月いくつかの体験プログラムが開かれており、小さいお子さんと一緒に体験できる内容のプログラムが多いです。(事前予約が必要)
ところで韓国は、毎月最後の水曜日を「文化がある日」といいます。これは国民が日常で文化に接することができるように決められた日で、この日は全国約 2,000か所の博物館や美術館、また古宮などの文化施設が入場無料になります。
城北先蚕博物館も、毎月最後の水曜日は入場無料です。また、この日はたいてい何らかの体験プログラムが企画されていますので、是非体験してみてください~
Address
96 Seongbuk-ro, Seongbuk-gu, Seoul