パク・チョンヒ大統領の生涯と業績を知る記念館
大韓民国第5~9代大統領、朴正熙大統領の生涯と業績を知ることができる記念館。併設された図書館には朴正熙大統領の関連書籍や直筆の文書などが所蔵されています。長い間工事をしていましたが、2019年3月1日にリニューアルオープンしました。
リニューアルオープンしてから間もなく、館内はとてもきれいでした。入ってすぐ、受付の女性が、右側がショップ、展示は左側から始まり、2階に出口があることを教えてくれます。入口は駅の改札のようになっていて、入口手前にロッカーが並んでいますが、そこに荷物を預けた場合、2階から出ずに一度戻ってこなければならないので注意が必要です。
まずはショップを見学。韓国はミュージアムショップや記念館の記念品がリーズナブルです。昨年、慶尚北道亀尾市の朴正熙大統領生家を見学しましたが、こちらの記念館のほうが品揃えが豊富でした。
朴正熙大統領の生い立ち
展示は朴正熙大統領の生い立ちから始まります。日帝時代の教科書や成績表も展示されています。朴正熙大統領は日帝強占期に現在の慶尚北道亀尾市で生まれ、とても貧しい少年時代を過ごし、その後教師になりました。
ナポレオンに憧れていた朴正熙少年はその後軍人になり、5.16軍事クーデターを経て、大統領になり、貧しかった国を導きました。
朴正熙大統領が起こした漢江の奇跡
展示室には、経済開発五ヵ年計画、京釜高速道路の開通、セマウル運動、医療保険制度の導入、国民教育憲章などに関する実際の資料や写真、模型や残された品々が時代順に見やすく展示されています。
面白いと思った展示は、橋や高速道路の開通記念式典のテープカットに使われた、たくさんの「はさみ」の展示です。戦後貧しく何もなかった韓国に、数多くの、大きな基盤を築いたことに驚く限りです。
1964年に一億ドルに過ぎなかった輸出が13年間で百億ドルになり世界を驚かせた。経済学者たちは漢江の奇跡と評価した。
…朴正熙大統領記念館・図書館
朴正熙大統領といえばやはり独裁政治という印象を持つ人が多いと思います。もちろん韓国国内でも激しい賛否両論があります。ただし一面だけではなく、良いこともたくさんしていますので「賛」も多いです。朴正熙大統領がいなかったら、韓国はここまで急激な経済成長をとげず、現在のような豊かな国ではなかっただろうと思います。
また、朴正熙大統領の言葉や文章はたくさん残っているのですが、どれも飾らず、素朴でありながらこころに残る言葉が多いです。
展示は多芸多才だった朴正熙大統領が使っていた数々の品や家族の写真などに続き、大統領執務室を再現した部屋で終了になります。じっくり見て回ったので、2時間以上見学に時間がかかりました。他の見学者は多くなかったです。
빨리 빨리 精神で成長してきた韓国
ところで、韓国人の性格を表現する「급한 성격(急な性格)」「빨리 빨리 (早く早く)精神」(*うまく伝えられませんが直訳)という言葉があります。悪く言えばせっかち、待てない性格と言えますが、よく言えばなんでもその場で解決する、フットワークが軽いという性質を表現しています。
数十年前の 88オリンピックの頃、日本と比較され「10年前の日本のようだ」と言われました。しかし驚くべき速さで成長した現在の韓国は、今もその速さで成長し続けています。実際にわたし自身が初めて韓国に来た数十年前と比較してみると、完全に別の世界であり、漢江の美しい夜景を見ていると、いつも「未来都市」という言葉が頭に浮かびます。このままどこまで行ってしまうのか?楽しみです。
朴正熙大統領図書館もおすすめ
展示室を出たところに、まだオープン前の素敵なカフェがありました。
その先には朴正熙大統領図書館があります。
図書館を入って右側には大統領関連の書籍、左側は一般的な書籍が配置されています。図書館内には靴を脱いですわれる席もあり、コンセントもたくさん用意されていました。近くに住んでたらしょっちゅう来たい!
余談ですが、二階の出口から外に出て、帽子がないことに気づき、来た道を戻りました。展示室二階の記帳カウンターにいた男性に聞きましたが、フロントにも問い合わせても届いていないとのこと。
二階カウンターにいる、親切な男性職員さんが一緒に探してくれたおかげで、帽子が見つかりました。日本語を勉強されていて、実際に話しながら学びたいと思い、この記念館で働くことにしたそうです。日本人は来るのか?と聞いてみたら「結構来るんですけど~話してくれないです~」と日本語で答えてくれました。展示もとても良かったのですが、親切にしてもらって、もっと良い日になりました。
こちらの記念館はワールドカップ競技場や自然緑地地域として指定されている広大なワールドカップ公園の近くにありますので、天気の良い日に散策するのもおすすめです。
Address
386 (Sangam-dong) Seoul Mapo-gu World Cup