農協の農業博物館
韓国では、1970年代から農業の機械化が本格化したため、長い間使用してきた伝統的な農機具などが放置され、毀損、滅失し始めました。
そこで農協は、伝統的な農耕道具などの大切な遺物が消えてなくなってしまわないよう、収集・寄贈をつのり、保存、活用するため、1987年に農業博物館を設立しました。
韓国の農協
農業協同組合(以下農協)は、農業者への支援と、国家経済の発展に寄与することを目的に、1961年に設立されました。農業資材の購入や農産物の販売、また、金融、保険など組合員の経済活動をサポートする事業などを行っています。
農業博物館は、国内最初の農業に特化した博物館で、質の高い展示品が並び、また、さまざまな教育体験プログラムが開催されています。
常設展示は「農業歴史館」「農業生活館」「農業広報館」の3つの展示館と、野外展示があり、随時特別展示が企画されています。
農業歴史館
先史時代から現代までの農業発達の歴史を時代別に展示しています。文献などの資料や実際に使われていた道具、昔の農業の姿を再現したジオラマや映像など、さまざまな形で展示されています。
農業生活館
昔の農村の風景や農家、伝統市場を再現した展示室です。
歩いていくと、センサーで住民たちの声や市場のざわめきが再現されたり、当時の生活をのぞいているようで、とても楽しめる展示になっています。
農業広報館
こちらは主に農業協同組合の歴史と事業を紹介しています。また、未来の先端農業技術を紹介する展示物などがあります。
お米がご飯になって食卓に上るまでの過程や、世界に輸出される農産物など、模型やジオラマ、映像などを駆使した展示となっています。体験しながら学べる展示が多く、小さなお子さんから大人まで楽しめる内容です。博物館全体をゆっくり見学すると、2時間ほどかかります。
コメ博物館
農業博物館から歩いて1分のところに、農協のコメ博物館があります。
韓国でも、若者を中心にファストフードなど欧米の食文化が広がりつつあります。農協コメ博物館はコメを主食としてきた三千年の歴史と、その効能を広く知らせ、お米を食べる文化を広げるために設立されました。
一階は展示室、映像室、フォトゾーンで、二階はカフェ、売店と、毎週二回行われている料理の体験プログラムの教室になっています。
米、粥、餅などで作った八つの道の代表的な食べ物を通して、各地方の食文化をかいま見ることができます。
韓国には、お餅やお粥のお店がたくさんあり、韓国旅行好きな方はご存知の通り、どこにでもフランチャイズの有名店があります。法事はもちろん、気軽な集まりの時にも美しいお餅やお粥を日常的に食べます。また、韓国料理にはご飯がよく合います。白米も食べますが、豆や雑穀を入れたり、食事の最後にお肉と一緒に炒めたり、さまざまなアレンジをして食べることが多いです。わたしも韓国に来てからお米をたくさん食べるようになりました。
韓国の若者は海外の料理も大好き!
ところで最近韓国にはベトナム料理店が多いのですが、特に「フォー」は韓国で쌀국수(쌀は米)と呼ばれ、人気が高いです。また日本式ラーメンも人気で「完全に日本のラーメンだ!」と思えるお店がたくさんあります。しかし、サルグクスに比べると、日本式ラーメンのお値段はお高めです。(大体サルグクス 4,000ウォン~、日本式ラーメンは 8,000ウォン以上)
また、韓国にはファミリーレストランのようなお店が少なく、洋食といえば本格的なお店か、ブッフェ形式のカジュアルなお店が人気です。またピザやハンバーガーなどの軽いファストフードは、近年どの国でも若者に人気がありますね。でも、韓国の大人は欧米の食事よりも、韓国特有の食事を好む人が多い気がします。
コメ博物館には、料理ができるとても大きな教室があり、お子さんと参加できる料理体験プログラムが週二回開催されています。
また、コメ博物館で精米した米を購入することもできます。カフェに併設された店舗では、農協ブランドのさまざまな食品が販売されています。
農協ブランドなので品質も良く、定価より安く販売されているものがたくさんありました。わたしが購入したトックやお菓子はどれもとてもおいしかったので、本当におすすめです!コメ博物館は、農業博物館に比べるとこじんまりとしていますが、とても楽しめる内容です。このあたりは博物館が密集している地域ですが、比較的短時間で見学できる博物館なので、是非のぞいてみてください。
では、アンニョン~
Address
♥ 農協中央会 農業博物館
서울특별시 중구 새문안로16 농협중앙회
16 Saemunan-ro, Jung-gu, Seoul
♥ 農協中央会 米博物館
서울특별시 중구 충정로 1가81-3
1-ga81-3 Chungjeong-ro, Jung-gu, Seoul