2020年6月25日は、6.25戦争(韓国 / 朝鮮戦争)の勃発からちょうど70年。
6.25戦争の呼び方
韓国では、日本で言うところの「朝鮮戦争」を、6.25전쟁(6.25戦争)または한국전쟁(韓国戦争)と呼びます。大韓民国政府および韓国の歴史教科書では、公式的に「6.25戦争」という名称を使用しています。
そして朝鮮民主主義人民共和国では、조선전쟁(朝鮮戦争 )あるいは조국해방전쟁(祖国解放戦争)と呼びます。
「6.25戦争」を日本で「朝鮮戦争」と呼んでいることを、多くの韓国人は知らないです。韓国人は「조선(朝鮮)」と聞くと、朝鮮民主主義人民共和国のことをさしていると考え、または朝鮮王朝時代を思い浮かべるかもしれません。これは韓国の歴史を振り返れば当然といえます。
한국전쟁(韓国戦争)という韓国内の独自の呼び方について、朝鮮民主主義人民共和国が自らを「朝鮮」と呼び、韓国を「南朝鮮」と呼ぶのに対し、韓国が朝鮮民主主義人民共和国をさして「北韓」と呼ぶことと同様に、自らの立場からの呼び方といえます。ただしこれは、同じ半島の南と北なので、単純に地域をさして呼び合っているだけともいえます。そのため、他の国がこの戦争を「朝鮮戦争」と呼ぶこととは意味が異なります。
日本以外の外国はなんと呼んでいるのか?
中国では 抗美援朝戦争。「美」は米国をさし、朝鮮民主主義人民共和国を支援して戦ったためです。(最近では「朝鮮戦争」と呼ぶことが多いようです)
英語圏では The Korean War。そこで「Korea」はなんと訳すのか?「大韓民国」を英語で表現すると Republic of Korea (South Korea)です。「朝鮮民主主義人民共和国」は Democratic People's Republic of Korea (North Korea)ですので、「Korea」は両国を指していて中立、公平な単語といえると思います。でも「Korea」を日本語に訳すと、韓国 または 朝鮮であり、「The Korean War」はやはり「朝鮮戦争」と訳すんですね。
外国語を学ぶ人は理解できると思いますが、翻訳はあくまでも翻訳であり、同じことをさしていない場合があります。またその国にはそんな単語、言葉がなかったり、同時に違う意味を持ったり、訳せない場合は、似た言葉で代用したりしますね。
「한국」「조선」をさす英語の「Korea」は、厳密に言うと日本語に訳された「韓国」や「朝鮮民主主義人民共和国」ではなく、あくまでも「한국」「조선」をさしています。
戦争は、起こった場所で□□戦争、期間をあらわして○十年戦争とか、○国と△国の○△戦争など、さまざまな呼び方で呼ばれます。
何が言いたいのか?韓国ではごく一般的に「한국전쟁(韓国戦争)」という言葉を使う。そして朝鮮民主主義人民共和国が「조선전쟁(朝鮮戦争)」という言葉を使うのは良いんです。
ただ、当事国以外の外国が「朝鮮戦争」と呼ぶのは、言葉の使い方が公平、中立ではないんです。かたよっているんです。
今後の韓半島は・・・
韓国は現在も戦時中なのか?本当に進行中の戦争であれば、戦争相手、敵国の指導者同士が笑顔で会って手をつないだり、スポーツイベントを共同で行うことはないでしょう。しかしながら2020年の現在も男性は軍隊に行かなければならない、そしてこの70年戦争(勝手につけた)は、平和協定が結ばれていないという点からも、やはりまだ終わってはいないです。
この戦争がどのように終わるのか?70年まえ、南と北に分断した国家が統一する日が来るのかわかりません。でもその日がくれば、この長い長い戦争は終わります。
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