韓国語で買いだめをサジェギ(사재기)といいます。
コロナ19が世界に広がり、水やトイレットペーパーなど生活必需品の買いだめ現象が多くの国で続出していますが、韓国ではまったく起こっていません。いつもと変わらずスーパーの棚にはたくさんの品物が並んでいます。
慶尚北道、大邱では難しいと思いますが、マスクは意外とソウルの街中で買えます。いずれも通常より値段は高めですが、普通のマスクは1枚約100円程度から、コロナ19に効果のあるKF94などは 1枚約250円くらいからあり、もちろんオンラインでも買えます。
外国は大騷ぎなのに韓国で生活必需品の買いだめがない理由 / YTN
下の動画は、海外のメディアが韓国を高く評価していることに対し、なぜ韓国では買いだめが起きないのかを検証しているニュース番組です。
動画:外国は大騷ぎなのに韓国で生活必需品の買いだめがない理由 / YTN
番組の内容を要約すると、以前 SARS(重症急性呼吸器症候群)や新型インフルエンザ、マーズを経験したことで、韓国の流通業界は非常時の需要を想定して多くの蓄えをしてきたこと、またオンライン配送の物流システムが発達しているため、一時的な需要の増加にも耐えられるということ。また、ほとんどの大型マートが全国配送システムを備え、独自のオンラインモールを持ち、クパンやマーケットカーリーのようなEコマース会社も多様だということ。
そして韓国はモバイルショッピングが発達していて、日常的な利用者がとても多い。いつでも簡単に注文でき、すぐに届くという確信、自信があるから、買いだめが起こっていません。
という内容です。一部の海外メディアは「成熟した市民意識のおかげ」とし、韓国市民の毅然とした対処を好評価している。
物理的な理由は動画のとおりですが、わたしは、韓国で買いだめ現象が起きないのは精神的な理由が大きいと考えています。
1.韓国の積極的な防疫対策と透明性
韓国は早い時期からコロナ19に対し、総力をあげて対応してきました。一日中コロナ19についての報道をテレビで見ることができます。
感染を避けるためにどのように生活したらよいか、感染の経緯、検査数、地域ごとの新たな確定診断者、死亡、完治数などはリアルタイムで常に画面上を流れます。
現状を伝えるのは文在寅大統領でもあり、中央防疫対策本部長やソウル市長などが、時間をたっぷりとって事実を報告し、丁寧に質問に答え、語りかけます。
韓国ではコロナ19について、ワイドショーのような番組で、したり顔のタレントが想像や推測で、事実ではない勝手な自分の考えを話すことはないです。
すなわち、事実と状況を知り、コロナ19にかからないため、また体調が悪くなればどう行動したらよいのか、わかっている安心感がとても大きいです。
2.言葉の力
コロナ19の状況を知らせる報道の合間には、感染で苦しんでいる人や現場で尽力している医療陣に、また初めての事態に戸惑っているすべての人に向けたメッセージが流れます。
“코로나19 함께하면 이겨낼수 있습니다”(コロナ19、ともに打ち勝つことができます)毎日何度も聞く言葉です。
下記は一例として中央防疫対策本部長の言葉ですが、会見のたびに語りかけます。
コロナ19は誰でもかかる呼吸器感染症です。感染した事実だけで、非難と烙印になってはならないと思います。また、苦しい状況を経て感染症を克服している確定診断者と家族、そして苦しい生活を送っている自家隔離者、また完治者の方々にあたたかい配慮とお疲れさま、という応援をお願いいたします。 コロナ19にかかり非難を浴びたことで深刻な精神的後遺症に悩まされたり、またそのような社会的非難を恐れ診断検査を避けるようなことになれば、被害がより大きなリスクとなり、共同体全体に降りかかります。このように、患者や接触者、家族への配慮をどうかもう一度、お願いします。
言葉が人に与える影響は、やはり大きいと感じます。毎日繰り返し、このような言葉を聞いていることで、精神的に落ち着いていられます。韓国に住むすべての人に安心感を与えてくれます。
3.国民性
温かく、おせっかいでもあり困っている隣人を助ける国民性。それはこれまでの歴史の中で長い時間をかけて少しずつ形成されたものです。いまの韓国では、何かあっても国が、社会が、隣人が、誰かが助けてくれる、という安心感があります。そしてわたしも隣人を助けたい、という思いがあります。
ソウル市 松坡区 ロッテワールドタワーの外壁に表示される応援メッセージ。毎日午後7時から11時までの間、30分ごとに表示されます。左から 힘내세요(がんばってください)、 대구 경북(大邱・慶北)、응원해요 (応援します)、의료진(医療陣)。大邱・慶北は感染確定者がもっとも集中している地域。
韓国で買いだめ現象が起きない理由は、安心感です。物理的に「物がない」状況はさておき、精神的に買いだめに走る現象は結局、単純に「物がなくなる。買えなくなる。誰も助けてくれない」という不安から起きるに過ぎないです。不安になれば、買えるうちに買っておきたいと考えるのは当然なわけです。日本のワイドショーでは、買いだめする人を責める 自称 知識人を目にしますが、責めるなら具体的な防疫対策をせずに一方的な発表と自粛要請のみ、不安にさせている無能な政権を責めるべき。
韓国は早い段階から積極的な防疫対策を行ってきました。コロナ19に対する対応は、国ごとにまったく異なりますが、オリンピック開催のため、感染者を少なく見せようとしてきた日本の姿勢は、外国では周知の事実なんです。本当に心配しています。手作りマスクでもなんでもいいんです。今は身を守ってください!